熊七号／T・H邸新築工事

［2002. 1竣工］
2万枚近いレコードのコレクションに囲まれて、家のどこにいても音楽が楽しめるカフェのような空間で生活したい子世帯。コンクリート打ち放しのモダンでギャラリーのような空間に住みたい親世帯。それぞれが全く異なったコンセプトを実現した長屋形態の2世帯住宅です。又、公共建築で培った音楽ホールの設計ノウハウを生かした、住宅での音楽建築誕生作品となりました。

音楽を生かす設計として、2階の子世帯は沢山の気積を確保する為に、高さ6ｍに及ぶ天井高を湾曲集成材によるシェル構造で構成しました。ダイニングやリビングに6chiのスピーカーをレイアウトできるように計画し、それぞれのシーンに合わせて音場を作れるようにしました。水廻りでは音楽を表現するような色とりどりのタイルを施し、洗面器は陶芸家の中尾雅昭さんに作陶していただきました。家のどこにいても大好きな音楽が響き、インテリアもそれぞれがクライアントご夫婦の大好きなテイストで包まれています。

1階の親世帯は打ち放しの空間に、陶器や古美術が並び、背面のキッチンを収納扉でクローズ。アイランドキッチンがバーカウンターに早変わりする、クライアントの望む大人な夜の空間を演出しています。クライアントの望むライフスタイルを1階はRC、2階は中断面集成材の木質構造による混構造で読み解いた音楽建築です。